底辺からの意識高い景、他界系
部屋の中にのめり込む夕闇
シートベルト着用の確認中に
自分のいびきで起きる復路
これから
刺さる木漏れ日うつろに耐え
埋もれる日向うつろい絶える
結婚の祝福なしに
離婚を問われた頃に生まれたシワ
弟のふるさと納税に
胃腸がひっくり返って
かじかんだ手で打つ詩のつめたさ
遠く
賞味期限切れの不味い保存食に
手を合わせ
腰痛と月収の比例を
接骨院で食い止めて
一月の夜に光る赤と緑のように
膿がぐずぐずとだらしなく
洗面台に落ちた髪で占う明日
ロマンチックに眺める衛星
彼女の手中
こんこんと
吠えなくなった番犬が見た空は
グレーな共創の白黒な狂想
腸で測る負傷は
喉で溶けて現実味を帯び
一行で後進 十冊の伴奏
十分前に止まった時計ののしり
立ち尽くす木々の香り
流れる月の風に乱された瞳は
カラコンの中に籠もって
糖質オフな現代人向け商用文
バグじゃないよバクだよ
再起動しておやすみ
弓矢は前世で待ってるから
傾国の歌集しっとりと
ゴム手袋さらさらの羽音
期日二日
キリスト不在
十三日の金曜日
その物差しを入れないで体内時計
縁切り神社の電柱が
赤い毛玉の腹巻き出して